2009年8月17日月曜日

畑の近隣を探索!

8月2日(続き)。

この時期、畑の周辺でよく見かける昆虫にトンボがいる。数も多いし、種類も実にいろいろだ。



上からオオシオカラトンボ、ノシメトンボ。いちばん下はイトトンボの仲間だと思うが、う〜ん、この種のトンボの識別は門外漢にはむずかしく、種名は不明。(写真同定できる方がいらっしゃったらご教示くだされば幸いです)

ほかにもオニヤンマやコシアキトンボなどを見かけた。これだけのトンボがいるということは、近くに豊かな水辺があるに違いない。畑の師匠・元さんにそう水を向けると、「ええ。畑のすぐ下に川がありますけど?」とあっさり。

思えば、山田農園さんへ通うようになってからこっち、刈れども刈れども繁茂する雑草との格闘で、周囲の環境に目を向けるゆとりを持てない日々だった。そこで労働力に余裕があるこの日、作業をいっとき中抜けさせてもらい、畑の近隣をぐるりと探索してみることにした。

畑の裏手に流れる小川。川幅は2〜3メートルで、草は刈られているが河岸工事はされておらず水量も豊富。ここがトンボたちの発生源だったのだ。こんもりと茂った林の向こうが、われらが「食べごと・ふぁーむ」。こんなに近くに川があったとは! やや高台に位置する畑からはちょうど死角となって、この小川が見えなかったのだ。

川辺の草むらにはハグロトンボ。カエル君も元気に陣を張っている。

こちらはメタリックグリーンの美しい胴部を持つ、ハグロトンボの雄。広げた羽はプロペラのようだ。


小川に流れ込む用水の縁に、体調4センチほどのヤゴの抜け殻を発見した。

この用水には近隣農家の生活排水が流れ込んでいるそうだが、ここでヤゴの抜け殻が見つかったことから、水の汚染は極めて低いことがわかる。というのもトンボの幼虫ヤゴは、淡水に生きる水棲昆虫の「食物連鎖ピラミッド」の頂点に立つ昆虫だ。彼らが健在だということは、そのエサとなる生きものたちも豊富に生息していることを意味しているからだ。

トンボのほかにも、畑に帰り着くまでの道すがら出会った生きものは数知れない。ここでご紹介するのは、そのほんの一部だ。

●真夏の貴婦人、キタテハ


●テリトリーを張る、アカタテハ


●ヤマトシジミの結婚と産卵



●そこかしこで繁殖する、コガネムシの仲間


●葉裏にひそむ、ウスバカゲロウ


散策の道中は、夏の植物たちも揃いぶみだ。

●道ばたを鮮やかに彩る、ノカンゾウ


●したたかに繁殖する水田の野草、アギナシ


●雑木林の中でひそやかに咲く、ギボウシ


わずか1キロちょっとの散策で実感したのは、ご縁があってお借りすることができた私たちの畑の周辺には、清らかな小川のせせらぎがあり、この地の主要果樹の一つであるクリの林が広がり、種々の広葉樹が混生する雑木林や風に揺れる竹林が点在していること。元来の自然環境と、そこに人の手が適度に入った環境とが、モザイクのように一帯を構成しているのだ。これって、昔ながらの「里」の有りようであり、いま全国で消えつつあるニッポンの原風景なわけで……。


やぁ、ただいま。おお、すごい! ちょいと留守にしていた間にひょうたん棚まで作っていたんだね。
畑仕事をみんなに任せて、ひとりネイチャーウォークを楽しんだ後ろめたさを感じつつも、このワクワク感をいつか仲間たちと分かち合いたいなー、と思ったひとときでありました。
写真と文 bun

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